40周年を迎えたプリンスアイスワールド
歴史が詰まったプログラムの数々を携えて
待望の広島公演を10年ぶりに実現
プリンスアイスワールド2018 〜ROAD OF THE ICE〜 広島公演
2018年に40周年を迎えたプリンスアイスワールド。歴史を紡いでいく中で、華やかさやステージパフォーマンス力は進化し続け、訪れるファンをますます魅了している。そんなプリンスアイスワールドが節目のテーマに掲げたのは『ROAD OF THE ICE』。40年間の集大成が詰まったプログラムの数々を携えて待望の広島公演を10年ぶりに実現させ、2018年8月18日(土)、19日(日)2日間にわたり、全4公演が行われた。また、同時に平成30年西日本豪雨災害へのチャリティ募金も行われ、氷上の華やかな世界で笑顔と元気を与えるだけでなく、夢と希望を届けた。
今回の広島公演で大きな注目を集めたのは、今年10月にパフォーマーの引退を表明した町田樹のプリンスアイスワールド最後の出演。選手を引退後も新しいフィギュアスケートの形を模索しながら作品を生み続けながら、プリンスアイスワールドへの出演は今公演が最後となる。プリンスアイスワールドのアイスショーに初めて出演したのが広島であり、また、最後の出演も同じ広島県という運命的な巡り合わせにファンも共感するかのごとく県内外から多数駆けつけ、会場内では声援・激励・感謝の言葉が飛び交った。
また、今回の出演者は、世界を舞台にプロスケーターとして活躍するロシアの皇帝と称されるエフゲニー・プルシェンコが広島県に初上陸。本田武史、織田信成、安藤美姫、村上佳菜子、小塚崇彦、現役活躍中の田中刑事選手、本田望結選手・紗来選手姉妹、そして、日本で唯一のプロフィギュアスケーターチーム(総勢26名)「プリンスアイスワールドチーム」などが多数出演。
さらに、「3オクターブを超える歌声、幻想的なヴァイオリンで人々を魅了する歌姫」といわれる『サラ・オレイン』がアーティストゲストとして出演。「1/fのゆらぎ」と呼ばれる癒やしの効果が科学的に実証されたその歌声とゲストスケーターの村上佳菜子とのコラボレーションもあり、会場中を優雅で気品のある空気感で包み込んだ。
※出演予定の髙橋大輔選手は、練習中の怪我のため、残念ながら広島公演ではプログラムの演技を休止されました。このレポートでは、リンクでファンに届けたコメントを掲載しています。
今回は「ROAD OF THE ICE」というテーマでプリンスアイスワールドならではのチーム群舞、グループナンバーを披露。例年と違い、一部・二部ともにプリンスアイスワールドチームの演舞でスタートし、途中でゲストスケーターの出演を挟み、そして最後もチームの演技で終えるプログラム構成になっており、さらにはエンドロールに1978年から一年ごとの出演者全員のクレジットがスクリーンに投影され、継承されてきた歴史の深さを改めて再認識する。40年間の集大成だけでなくこれから新たに始まるの未来への挑戦というような意志が込められているような印象を受けた。
BGMには、リラックス効果が得られる528Hzの響きを生かした演奏活動を行っている「エイコン・ヒビノ」氏によるプリンスアイスワールドのためにつくられた楽曲「アリガトウ528」が40周年のテーマ曲として起用され、場内BGMを含めてファンや関係者への感謝の気持ちが表現されていた。
また、終演後にはプリンスアイスワールドでの大きな魅力のひとつである『ふれあいタイム』が設けられ、ファンがゲストやキャストへ花束やプレゼントを直接渡しながら声援や感謝の気持ちを伝えると同時に、出演者たちはカメラポーズのリクエストに応えたり、お礼の言葉を述べたりなど、丁寧にサービスする姿が印象的だった。
※今回のレポートは初日2回目公演、二日目1回目公演をまとめたものとなります。
会場
広島サンプラザホール
開催日
2018年 8月18日(土)・19日(日) 2日間 全4公演
構成・演出
今村ねずみ
出演
〈レギュラー出演者 〉
プリンスアイスワールドチーム(総勢26名)・本田武史
〈ゲストスケーター 〉
エフゲニー・プルシェンコ/髙橋大輔/町田 樹/安藤美姫/織田信成/小塚祟彦/村上佳菜子/田中刑事/本田望結/本田紗来
〈ゲストアーティスト〉
サラ・オレイン
主催
広島ホームテレビ/山口朝日放送/日本海テレビ/中国新聞社/プリンスアイスワールド広島実行委員会
特別協賛
三井ショッピングパーク アルパーク
協賛
にしき堂/積和不動産中国/鷗州コーポレーション/マリモ/エディオン/コスメティックロイヤル/からだ工房
後援
広島県教育委員会/広島市/広島市教育委員会/(公財)日本スケート連盟/広島県スケート連盟/九州朝日放送/愛媛朝日テレビ/朝日新聞社/広島エフエム放送
協力
大分朝日放送 / 夢番地
企画制作
プリンスホテル / GAKUONユニティ・フェイス
取材協力
会場の様子
開場時間前から長蛇の列ができた会場周辺。40周年・広島公演記念限定グッズの販売も行われ、会場ロビーは終始多くのファンで埋め尽くされていた。
▲広島公演満員御礼の記念グッズ。
プリンスアイスワールド×にしき堂の『広島限定もみじまんじゅう』や企画制作の『GAKUONユニティ・フェイス』からは、広島カープのシンボルカラーの赤をイメージしたランジェリー「Emadoll」が出演者全員にプレゼントされた。
プリンスアイスワールドチーム
日本で唯一のプロフィギュアスケーター総勢26名が集うプロチーム。40年の長い歴史をもつフィギュアスケートのエンターテインメントショーで、スケーターが一丸となって繰り広げる“群舞”を得意とする。今回は40年間の集大成となることから、それぞれのプログラムでの演出や衣装なども例年よりいっそう華やかに、そして迫力を増した劇的でドラマチックな世界が表現された。
キッズスケーター
ゲスト(出演順)
田中刑事
主な成績
2016年、2017年 全日本選手権 第2位
2018年 四大陸選手権 第4位
2018年 平昌オリンピック 出場
2017年、2018年 世界選手権 出場
高いジャンプやスピンなどの伸びやかな四肢から繰り広げられるハードな表現の中で特に目をひいたのは、現役の選手として数々のリンクで戦い抜いてきた強い意志があふれる瞳と大人の男性の哀愁と色気があふれる表情。競技では見られない衣装をつかった振りつけなどにファンも喜びの声援を届けた。
本田武史
▼主な成績
1998年 長野オリンピック 出場
1999年、2003年 四大陸選手権 優勝
2002年 ソルトレークシティオリンピック 第4位
2002年、2003年 世界選手権 第3位
世界に認めるようになった日本男子フィギュアスケート界の先駆者の1人。長野オリンピック出場から今日までの20年間をフィギュアスケートに心血を注いできた。プリンスアイスワールド40周年の記念すべき公演で自らの歴史を重ねるかのように技のひとつひとつを丁寧に成功させ、誇り高い堂々とした姿に大きな拍手が沸き起こった。
小塚 崇彦
▼主な成績
2010年 バンクーバーオリンピック第8位
2010年 全日本選手権 優勝
2011年 世界選手権 第2位
2014年 四大陸選手権 第2位
現役時代から話題を集めていた軽やかで難易度の高いステップが繰り広げられると会場から大きな拍手が沸き起こる。時折みせる鋭い視線やPIWチームとのコラボレーションでの躍動感ある振り付け、観客への投げキッスなど、おちゃめでコミカルな場面もあり、小塚崇彦ならではの表現で会場を魅了した。
本田紗来
▼主な成績
2017年 全日本選手権ノービスBクラス 優勝
ソロ出演では「Kung fu Panda 」の曲に合わせ、武道を思わせる振り付けを交えたり、幼い少女のあどけなく愛らしい表情や所作を見せる一方で、3回転・2回転の連続ジャンプを勢いよく飛んで着氷するなどの大技をみせ、観客を終始楽しませるとともに、未来での活躍の期待を大きく抱かせてくれた。
アーティストゲスト サラ・オレイン
「f 分の1ゆらぎ」と呼ばれる、癒しの効果が含まれることが科学的に実証された歌声が響き渡ると、会場内はこれまでの熱気から一変して、澄みきった空に優しい風が吹き渡る大自然の銀世界に包まれたかのような雰囲気に。
コラボレーションした村上佳菜子が女性らしいしなやかなスケートでその世界観を美しく表現し、その美しさに魅了されたファンのため息が漏れる音が聞こえてきた。
村上佳菜子
▼主な成績
2010年 GPファイナル 第3位
2013年 世界選手権 第4位
2014年 ソチオリンピック 出場
2014年 四大陸選手権 優勝
ゲストアーティストのサラ・オレインとの共演で大人の女性がもつ気品と美しさを表現。持ち前の天真爛漫さを時折のぞかせながら、その凛とした姿に女性としてもスケーターとしても大きく飛躍していることを体感したファンも多いだろう。
本田望結
▼主な成績
2016年 全日本ノービス選手権 第6位
2017年 全日本ジュニア選手権 出場
女優・タレントととして培った表現力を武器に、指先の動き、目線などの細部にわたり体いっぱいにスケートの楽しさを伝えようとするかのように氷上を駆け抜けると、ファンの目の前を滑り抜けるその度に拍手が沸き起こった。少しずつ大人の階段を登る女性らしさ、まだあどけなさを残すチャーミングな笑顔をみせながら滑り終えると客席からは大きな声援が飛び交った。
髙橋大輔
▼主な成績
2006年 トリノオリンピック 第8位
2010年 バンクーバーオリンピック 銅メダル
2010年 世界選手権 優勝
2014年 ソチオリンピック 第6位
練習中の怪我のため、ドクターやトレーナーと相談した結果、大事を取ってやむなくプリンスアイスワールド広島での出演を休止。しかし、公演を楽しみに来場したファンのため自ら氷上に立ちマイクをもって挨拶を行った。
「楽しみにしてくださったファンの皆様、主催者をはじめ関係者の皆様には、ご心配とご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。滑ることはできませんが、せめて皆様にご挨拶をさせて頂きたいと思い参りました。今回はとても残念ですが、10月の大会に向けしっかりと調整して、皆様に高橋大輔らしい滑りを見ていただきたいと思っています。さて、西日本豪雨では、私の出身地も被災しました。とても悲しい出来事でした。しかし、下ばかり見ないで、これからお互い助け合いながら生きていかなければならないと感じます。私もがんばります。まだ危ない状況が続いていますが、どうぞ被災された皆様、お手伝いに行かれる皆様、安全第一、命を優先して自分を大切にして下さい。今日は来てくださって本当にありがとうございました。これからも応援よろしくお願い致します」
安藤美姫
▼主な成績
2006年 トリノオリンピック出場
2007年、2011年 世界選手権 優勝
2010年 バンクーバーオリンピック 第5位
世界中のアイスショーに出演する実力を出し切るかのようなアグレッシブな振り付けとPIWチームとの息のあったコラボレーション。自分らしく生きる意志の強さや心の葛藤、切なさを存分に表現したプログラムに観客が総立ちとなって拍手や声援を送り、姿が見えなくなるまで鳴り止むことがなかった。
町田 樹
▼主な成績
2010年 四大陸選手権 第2位
2013年 全日本選手権 第2位
2014年 ソチオリンピック 第5位
2014年 世界選手権 第2位
音楽に対する深い解釈、芸術性あふれる表現力に「氷上の哲学者」と称される。自身を何も飾らない独創的な佇まいは、氷上に立った瞬間から観客を虜にする。極限まで抑えた楽曲の音量と氷が削れる音、本人の吐息が聞こえてきそうな研ぎ澄まされたプログラムが終わった瞬間も、まだその世界観に引き込まれていた。プリンスアイスワールド出演は広島公演が最後ということもあり、ファンは手作りの横断幕を掲げるなどして、最後の滑りを静かに見守っていた。
織田信成
▼主な成績
2006年 四大陸選手権 優勝
2006年 世界選手権 第4位
2008年 全日本選手権 優勝
2010年 バンクーバーオリンピック 第7位
氷上に飛び出した途端に3回転ジャンプを勢いよく何度もきめ、会場が一気にヒートアップ。メドレーには耳馴染みのある曲が流れ、観客も合わせて歌いながら踊るシーンも見られた。最後までスピード感は衰えることなく何度も高く飛び上がる姿に、まったく衰えを知らないポテンシャルの高さをうかがい知る。
エフゲニー・プルシェンコ
2002年 ソルトレークシティオリンピック 銀メダル
2006年 トリノオリンピック 金メダル
2010年 バンクーバーオリンピック 銀メダル
2014年 ソチオリンピック 団体戦 金メダル
数々の国際大会で優勝を総なめにし、オリンピックでも金銀メダルを2個ずつ獲得したロシアの皇帝と称されるエフゲニー・プルシェンコ。スポットライトを浴びた瞬間の圧倒的な存在感に会場がどよめいた。ジャンプやスピード感あるキレの良いステップなどの技術を披露するだけではなく、エンターテイメントとしての完成度はさすがとしか言いようがない。ほんの数分間を絶対的なプルシェンコの世界に会場を引き込み、場内すべての人の視線を釘付けにした。
構成・演出:今村ねずみ
プロフィール
北海道出身。劇団「夢の遊民社」を経て、1986年に「THE CONVOY SHOW」を立ち上げる。
全作品の作・構成・演出を手掛け、自らも出演。多彩な要素を盛り込んだステージを創造し、観衆を魅了した。
2006年には単身韓国に渡り、代表作『ATOM』の韓国キャスト版を創り、ロングラン公演を実現。絶大な評価を得て09年に再演。
12年より、自身の一人舞台シリーズ『Nez Channel』も始動させた。
近年の主な出演作に、舞台『絹の靴下』、『THE 39 STEPS –秘密の暗号を追え-』、『キサラギ』、『6週間のダンスレッスン』『ヴォイツェク』ほか。また、演出も多数手掛けている。第35回菊田一夫劇賞、第12回「ザ・ヒットメーカー‘99」演劇部門受賞。
アーティストゲスト サラ・オレイン
オーストラリア出身。ヴォーカリスト、ヴァイオリニスト、作詞作曲家、コピーライター、翻訳家。英語、日本語、イタリア語、ラテン語を操るマルチリンガル。
5歳よりヴァイオリンを始め、その才能をシモン・ゴールドベルグ(弱冠20歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任した著名ヴァイオリニスト)の高弟ペリー・ハートに見出され師事シドニー音楽院付属を経て、シドニー大学をHigh Distinction (最高点) で卒業、東大に留学。在学中に、ゲームソフト「ゼノブレイド」エン
ディングテーマ曲“Beyond the Sky”(光田康典氏作曲) のヴォーカルを担当。2012年、ユニバーサルミュージックよりメジャーデビュー。3オクターブを超えるその声には「f 分の1ゆらぎ」と呼ばれる、癒しの効果が含まれることが科学的に実証される。
1stアルバム『Celeste』はJALやANA 国際線でフューチャーされ、iTunesヴォーカル・チャート1位となる。2ndアルバム『SARAH』『SARAH Deluxe』はBillboardチャート13連続1位を獲得する。ゲームソフト「タイムトラベラーズ」のエンディングテーマ曲“The Final Time Traveler” (坂本英城氏作曲)のヴォーカル・英語詞を担当。この曲で羽生結弦選手と共演。その後の彼のグランプリファイナルや世界選手権のエキシビションにも抜擢された。アルバム『f』からは自らプロデュースを手掛け、4thアルバム『ANIMA』は発売開始以来Billboardクラシックチャート3週連続の第1位となる。
テレビ番組出演、ラジオパーソナリティ、CM ソング、フィギュア・アイスショーでのコラボなど、メディアでも幅広く活躍中。2017年冬公開予定のムーミン映画”Moomins and The Winter Wonderland”の主題歌を日本語と英語で歌唱。
4thアルバム『ANIMA』(2/22発売)収録曲の主題歌“Little Doll” (NHKドラマ10)は早くもiTunesクラシックチャートで一位に。
テーマソング:エイコン・ヒビノ「アリガトウ528」
▼プロフィール
滋賀県大津市出身。
2015 年 1 月テイチクエンタテインメントよりメジャーデビュー。528Hz を音楽理論や医学的観点から作曲。その手法が高く評価され、第 57 回日本レコード大賞を受賞。「機能を持つ音楽」を生み出す528Hz 作曲家・ピアニストとして独自地位を確立する。2016 年に起こった熊本・大分地震際に開催されたプリンスアイスワールド大分・熊本公演で、テーマ曲や会場 BGM として癒やし空間を演出。
今までにはなかった「機能を持つ音楽」を生み出す日本で唯一の528Hz作曲家・ピアニスト。
会場BGMで癒しの空間を映像と音楽で演出!
プリンスアイスワールド40周年記念テーマ曲「アリガトウ528」
セットリスト
Act. 1
Opening
・The Way You Look Tonight
・Time Check
・Let Me Entertain You
Guest
・New Year’s Day
・Right Place Right Time
・What Are Words
・Be Lonely
・I Bet My Life
・Smile
Guest
・Don’t Stop Me Now
Act. 2
・The Greatest Show
・This is Me
・Rewrite The Stars
Guest
・Begin Again
・The Show Must Go On
・We Are the World
・Story Of My Life
Guest
・From Now On
Finale
・Let Me Entertain You
・Never Letting Go